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くらしに役立つ漢方と薬膳「もも子流薬膳」

【もも子流薬膳 第10回】 「脾の働き」
自己免疫力アップのための、薬膳のススメ
〜食生活の工夫で、病気やウイルスに負けない体づくりを〜

「脾」は、五臓の中で体の中心にありますが、機能的にも中心となる大事な「臓」です。
すべての動物は食べないと生命を維持していくことはできません。
食べ物を受け入れて(受納)、消化・輸送(運化)をし、栄養素(気・血・精微物質)が細胞一つ一つを養い、細胞の集まりである各器官が順調(正常)に働き、生命活動を維持しているのです。
「脾」は、考えすぎたり悩みすぎたりしていると、その働きが低下してしまいます。
今月は、「脾」の働きと養生についてご紹介します。

「脾」の働き

①「脾」は運化を司る
食べ物を摂取して消化し、食べ物の中の栄養物質や水分を「気・血」に変えてそれを吸収し、体のすみずみまで送ります。
そうして、五臓六腑、筋、骨、髪などすべてを養う(細胞一つ一つを栄養する)のが、「脾」の働き。
また、「気・血」が体をめぐることで体を温めることにもつながります。
「脾」のこの機能が低下すると、筋肉や四肢が最も影響を受けやすく、倦怠感、疲労、痩身、四肢のおとろえなどが起こりやすくなるのです。

②「脾」は水分代謝の促進を司る
食べたり飲んだりすることで取りこんだ水分を吸収し、必要なところ(五臓の「肺」)に送られ、不要なものは五臓の「腎」に送られて排出します。
体内の水の巡りを良くして、水分調整をするという役割があります。
「脾」のこの機能が低下すると、「湿」「痰」「飲」「水腫」と呼ばれる、体内で悪さをする形に水分が変わってしまいます。これらは体内に蓄積し、内臓の働きを阻害してしまうのです。
つまり、「脾」の、この働きが機能しないと下痢・むくみなどが起こりやすくなり、栄養が吸収できず、細胞を養えないということにつながり、痩身、水太り、気力不足などに陥ります。

③「脾」は「意」を蔵し、「思」を司る(コントロールする)
「意」は記憶力を指し、「思」は思考、思慮を指します。
「脾」の働きが正常なら「気・血」の生成が十分で、正常な思考能力と旺盛な精力を保つことができるのです。
ですが、考えごとのしすぎ、悩みすぎ、脳の使いすぎ、思いすぎると、「脾」の働きが低下していきます。
すると、食欲不振、食後膨満感、長引くと脳に栄養が行かず記憶力や思考力の低下といった症状を招くのです。
年齢を重ねると内臓も老化するので、「腎」が衰えるだけでなく、特に「脾」の衰えで五臓を養えず、老化を促進する結果につながります。

④「脾」は統血する(血液の出血を防ぐ)
「血」が血管から漏れないようにコントロールするのは「気」の働きによるので、「脾」の働きが低下して「気・血」が生成されないと「気」が足りず、出血しやすくなります(皮下出血・便血・尿血・生理の不正出血など)。
「脾」の病は朝方に一番重く、日中はそれが続いて、夕方以降に落ち着きを取り戻すという特徴があります。
「脾」の病には、「苦味・甘味・鹹味」の食材を使うとよいでしょう。
「甘味と鹹味」は弱まった「脾」の働きを補い、「苦味」は「脾」の機能低下で生じた余分な「痰湿」を体内から取り除きます。
また、「苦味」には体内の湿を取る「燥」の働きがあります。

「脾」の働きを助ける食材

お米は、「脾」の働きを助ける代表選手。
「脾胃」の調子が良くないときには、消化がよく「脾胃」に優しいお粥がおすすめです。
米・棗・飴・粟・もち米・蜂蜜・ハトムギ・フナ・牛肉・豚肉・大豆・鶏や鴨の砂肝・豚のガツ・牛肉のセンマイ・ハチの巣・ぜんまい、タケノコ・金針菜・苦瓜・ドクダミ・きくらげ・おこげなど

「脾」の働きを助ける生薬

食材や日々の養生だけでは「脾」がなかなか回復しない方は、漢方薬局で相談するとよいでしょう。
下記にあげた生薬は、主に「脾気」を補うために処方されます。

薬用人参{朝鮮人参・ウコギ科(微温/甘・微苦・肺・脾・腎・心)
西洋人参・ウコギ科(寒/苦・甘/心・肺・腎)
党参・キキョウ科(平/甘/脾・肺)
太子参・ナデシコ科(微寒/甘・微苦/脾・肺)
黄耆・マメ科(温・甘/脾・肺)

実践!「脾」を養う簡単薬膳

鶏ひき肉としょうがのお粥

鶏肉は「脾気」を補い、しょうがは「脾胃」を温めます。

【材料(2人分)】

料理のイメージ写真 胚芽米 1/2合
鶏むねひき肉 100g
酒 大さじ2
しょうがすりおろし 大さじ1
塩 小さじ1/3

【作り方】

  • 胚芽米は研いでザルに上げて3カップの水と混ぜて火にかける。鶏むねひき肉は、酒大さじ1としょうがを半量加えて塩少々(分量外)を加え、菜箸で練らないように混ぜる。
  • 1のお米が沸騰したら、ひき肉の混ぜ物と残りの酒を加えて全体に混ざるようによくかき混ぜる。再び沸騰したら火を弱めて鍋底を焦げ付かないように混ぜ、蓋をずらして40分間煮る。
  • お粥が炊きあがったら、塩を加えて味を調え、火を止めて残りのしょうがを加えて混ぜる。

かつおとトマトのソテー バジル風味

5月は初がつおの時期です。
フライパンでできる簡単な洋風の一皿ですが、醤油で味をつけるのでご飯にも合います。
かつおは「気」と「血」を補い、疲れを緩和させてくれます。
トマトは食欲を回復させ、バジルは香りで食欲を促し「気」の巡りを良くしてくれます。にんにくは食欲増進に働きます。

【材料(2~3人分)】

料理のイメージ写真 かつお(生・刺身用) 1節 250g前後
トマト 中 1個
にんにく 1かけ(うす切りにする)
バジルの葉 10枚くらい
オリーブ油 大さじ1
塩、酒、黒こしょう

【作り方】

  • かつおは1.5㌢の厚みに9切れに切り、酒と塩、黒こしょう各少々を振る。トマトは縦半分に切り、横にして1㌢厚さに切る。にんにくは横にうす切りにして芽を取る。
  • フライパンに1/3量のオリーブ油を温めて、トマトを強火で両面焼き色をつける。黒こしょうを振り、皿に取る。
  • フライパンをさっと洗い、残りのオリーブ油を入れて温める。にんにくを加えて香りが立ったらかつおを入れて両面を強目の中火で焼き、焼き色がついたら油を切り、トマトの上ににんにくとともに盛りつけ、バジルの葉を載せる。
    カツオの中心は生でOK。
    最後にフライパンの油を軽く拭き取り、酒大さじ2、醤油大さじ2を加えて弱火にかけ、ひと混ぜして、火を止める。このソースを上にかける。

*かつおには寄生虫のアニサキスがいることがあるので、刺し身でなく、火を通してから食べるほうが安心です。火で炙ってたたきにするのは身が柔らかいのと殺虫効果もあります。

(国際中医師・国際薬膳師・管理栄養士 植木もも子)


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